Azel's Note

とある高校生の数学ノート。あらゆる問題に対する、感覚と論理の双方向からのアプローチの記録。

ある意味時事ネタ 岡山理科大学の入試数学を15分で完答するチャレンジ

加計学園問題で話題の岡山理科大学。暇だったので、昨今の岡理ブーム(?)に乗っかるべく入試数学をタイムアタックしてみた。

ネットで解答を探したけど無かったので正誤は不明。後日学校の図書館の赤本を借りて答え合わせする予定だが、まず間違いなく満点のハズ。

イムリミットは適当に15分に設定。解いたのが塾の休み時間だったのでちょうどその長さにした。

問題は岡山理科大学のページから拝借。前期SA方式1日目の数学。


第1問 空間ベクトル

3点O(0,0,0),A(2,-3,1),B(-3,1,2)について,次の問いに答えよ。
(1) \vec{OA}\vec{OB}の大きさをそれぞれ求めよ。
(2) 内積\vec{OA}\cdot \vec{OB}を求めよ。
(3) \vec{OA}\vec{OB}のなす角\thetaを求めよ。
(4) OABの面積を求めよ。

物凄いサービス問題。記述の仕方がわからないレベルで簡単。これ本当に入試として機能してるんだろうか…と心配になる。上のリンクにある解答用紙の欄が広いのを見て記述が不安になったけどこれ以上詳細に書きようがない。解答所要時間2分。


(1) \vec{OA}=(2,-3,1),\vec{OB}=(-3,1,2)だから、

|\vec{OA}|=\sqrt{2^{2}+3^{2}+1^{2}}=\sqrt{14}, |\vec{OB}|=\sqrt{3^{2}+1^{2}+2^{2}}=\sqrt{14}

(2) \vec{OA}=(2,-3,1),\vec{OB}=(-3,1,2)だから、\vec{OA}\cdot \vec{OB}=2\cdot(-3)+(-3)\cdot 1+1 \cdot 2=-7

(3) \vec{OA}\cdot\vec{OB}=|\vec{OA}||\vec{OB}|\cos \theta=-7,|\vec{OA}|=|\vec{OB}|=\sqrt{14}だから、\cos \theta=-\dfrac{1}{2}

0 \leq \theta \leq \piより、\theta=\dfrac{2}{3}\pi

(4) (1),(2),(3)の結果を利用して、\triangle OAB =\dfrac{1}{2}|\vec{OA}||\vec{OB}|\sin \theta=\dfrac{7\sqrt{3}}{2}


第2問 図形と方程式

aは定数とする。3点O(0,0),A(a,a^{2}),B(a-1,(a-1)^{2})について,次の問いに答えよ。
(1) 直線ABy軸との交点の座標をaで表せ。
(2) OABの面積をaの式で表せ。ただし,a \neq 0,1とする。
(3) 0 \lt a \lt 1のとき,OABの面積の最大値と,そのときのaの値を求めよ。

A(a,a^{2}),B(a-1,(a-1)^{2})という設定を見て通過領域かと思って身構えたらそこまで踏み込んでいなかった。ほぼ同じ設定で線分ABの通過領域を図示する問題が名古屋大学かどこかで出題されていたはず。易問。解答所要時間3分。


(1) 直線ABの傾きは、\dfrac{a^{2}-(a-1)^{2}}{a-(a-1)}=a+(a-1)=2a-1。Aを通過するので、AB:y=(2a-1)(x-a)+a^{2}とできる。

x=0を代入して、y切片-a^{2}+aを得る。

(2) \vec{OA},\vec{OB}を考えて、\triangle OAB =\dfrac{1}{2}|a(a-1)^{2}-a^{2}(a-1)|=\dfrac{1}{2}|a(a-1)|

(3) 0 \lt a \lt 1のとき、a(a-1) \lt 0だから、\triangle OAB =\dfrac{1}{2}(-a^{2}+a)

ここで、-a^{2}+a=-(a-\dfrac{1}{2})^{2}+\dfrac{1}{4}だから、

-a^{2}+a a= \dfrac{1}{2} (これは0 \lt a \lt 1を満たす)で最大値\dfrac{1}{4}をとり、従ってこのとき\triangle OABの面積も最大値\dfrac{1}{8}をとる。


第3問 対数関数、対数不等式

関数f(x)=\log{_4}(x-1)+\log{\frac{1}{2}}(x+1)について,次の問いに答えよ。
(1) f(3)の値を求めよ。
(2) 関数f(x)において,変数xのとりうる値の範囲を求めよ。
(3) 不等式f(x) \leq -2を解け。

簡単すぎて記述することがないので本当にこんなのでいいのか不安。解答所要時間2分半


(1) f(3)=\log{_4} (3-1)+\log{\frac{1}{2}} (3+1)=\dfrac{1}{2}-2=-\dfrac{3}{2}

(2) 真数条件より、x-1 > 0かつx+1 > 0、従ってx > 1

(3) 底を4に統一することで、f(x)=\log{_4} \dfrac{x-1}{(x+1)^{2}}とできる。

底について、4 > 1だから、\dfrac{(x-1)}{(x+1)^{2}} \leq \dfrac{1}{16}であればよい。

x > 1のもとでこれを解き、1 \lt x \leq 7-4\sqrt{2}, 7+4\sqrt{2} \leq xを得る。


第4問 オイラーの定理の証明

 \triangle ABCにおいて,内心をI,外心をO,内接円の半径をr,外接円の半径をRとするとき,次の問いに答えよ。
(1)\angle BAC = aとするとき,\angle BICaの式で表せ。
(2) 直線AI\triangle ABCの外接円とのAでない交点をDとするとき,3点B,C,IDを中心とする同一円周上にあることを証明せよ。
(3) 2点I,Oの距離をdとする。AB=ACのとき,等式(R+d)(R-d)=2rRおよび不等式R \geq 2rを証明せよ。
(4) AB \neq ACのとき,不等式R > 2rを証明せよ。

恐らく難問枠。4題の中では比較的難しい。(4)だけ提示されると難関大志望者でも解けない人が居るんじゃないかと思う。本問は誘導が露骨なので簡単。解答所要時間7分。


(1) \angle ABC +\angle BCA=\pi-\alphaである。

ここで、Iは内心であるから、\angle IBC=\dfrac{1}{2}\angle ABC, \angle ICB = \dfrac{1}{2}\angle CBA

したがって、\angle BIC =\pi-\dfrac{1}{2}(\pi-\alpha)=\dfrac{\pi}{2}+\dfrac{\alpha}{2}

(2) 円周角の定理より、同一円に於いて同じ大きさの円周角に対する弧長は等しく、対応する弦の長さも等しいから、BD=CD

また、同定理により\angle ACB =\angle ADB=\angle IDBが導かれる。

ここで、\angle ICB=\dfrac{1}{2}\angle ACBから、2\angle ICB=\angle IDBとなり、中心角の定理の逆より、題意は示された。

(3) OI\triangle ABCの外接円(以下Kとする)との交点を考えると、方冪の定理より、(R+d)(R-d)=AI\cdot IDが得られる。

(2)よりBD=IDだから、(R+d)(R-d)=AI \cdot BD

IからABに下ろす垂線の足をHDOと円Kの交点をEとすると、円周角の定理より\angle DAB = \angle DEB,\angle DBE =\dfrac{\pi}{2}である。

二角相等により、\triangle AIH \sim \triangle EDBしたがって、AI:ED=HI:BD \Leftrightarrow AI \cdot BD =ED \cdot HI

EDは円Kの直径、HI\triangle ABCの内接円の半径だから、(R+d)(R-d)=2Rrが示された。

これより、(R+d)(R-d)=2Rr \Leftrightarrow d^{2}=R(R-2r)

d,Rは実数であり、R > 0だから、R-2r \geq 0 \Leftrightarrow R \geq 2rが示された。

(4) R \geq 2rの等号が成立するのはO,Iが一致するときである。

このとき、O=Iから各辺に下ろした垂線の足をX,Y,Zとすると、R=2rから、OA=OB=OC=2IX=2IY=2IZとなり、AB=BC=CA=\sqrt{3}Rとなる。

したがって、等号が成立するとき、\triangle ABCが正三角形であることが必要。

AB \neq ACのとき、これを満たさないので、R > 2rである。


総評

正確には全部合わせて14分47秒前後でした。ギリギリ15分以内にいけた。非常に簡単で特に考えなくても解けるので如何に字を速く書くかの勝負。

第4問で図を書いたのでタイムロス。今思えば書かなくても解けるレベルの問題だった。反省。

入試での時間設定は90分なので、このタイムだと6周解ける。

そして解答を記事にするためにLaTeX形式で打ち込むのに2時間以上かかった。今になって思えば馬鹿なことをしたなあ。

sinA+sinB+sinC (π>A,B,C>0, A+B+C=2π)の最大値、微分による力技と、相加相乗平均の利用による微分回避

最近全然ネタを投下できていない。別に何もしていないわけではなくて、n個の三角関数の和について与えられる強い不等式を幾つか見つけたりはしているのだけど、夏の論文コンテストに提出する予定なのでここには書けない。

というわけで、昔の下書き記事を掘り起こして間を繋ぐことにした。以下は3か月前の話。


最近、友人が

{\sin A + \sin B + \sin C (A+B+C=2\pi)}の最大値を求め方を教えてくれ」

とLINEを寄越してきた。{A+B+C=2\pi}というのはちょっと珍しい。{A+B+C=\pi}はよく見るが。

「半径{\sqrt{2}}の円に内接する三角形の面積の最大値を求めればいいから正三角形の面積を考えれば良いよ。」

と返したのだけど代数的に解いてほしいらしい。

というわけでなかなかしんどい微分をやらされたのだが、上手い等式変形で微分を使わない方法も成功したのでメモとして。


sinA+sinB+sinC (A+B+C=2π)の最大値

加法定理、和積公式、二倍角の公式と、条件式{A+B+C=2\pi}より、

{\sin A + \sin B + \sin C = 2\sin \dfrac{C}{2}(\cos \dfrac{A-B}{2}+ \cos \dfrac{C}{2})}

ここで、{\sin A + \sin B + \sin C}は常に正であるから、以下の不等式が成り立つ

{2\sin \dfrac{C}{2}(1+ \cos \dfrac{C}{2}) \geqq 2\sin \dfrac{C}{2}(\cos \dfrac{A-B}{2}+ \cos \dfrac{C}{2})=\sin A + \sin B + \sin C > 0}

等号成立は{A=B}のときである。

また、二乗すると

{4\sin^{2}\dfrac{C}{2}(1+ \cos \dfrac{C}{2})^{2}=4(1-\cos \dfrac{C}{2})(1+ \cos \dfrac{C}{2})^{3} \geqq (\sin A + \sin B + \sin C)^{2}}

を得られる。{\cos \dfrac{C}{2}=t},{-1 \leqq t \lt 1}とおき、整理すると、

{(\sin A + \sin B + \sin C)^{2} \leqq 4(1-t)(1+t)^{3} \cdots (\star)} ({A=B}で等号成立)


(I)微分による解法

{f(t)=4(1-t)(1+t)^{3}}とおき、微分すると{f'(t)=8(-2t^{3}-3t^{2}+1)=-16(t+1)^{2}(t-\dfrac{1}{2})}

{-1 \leqq t \lt 1}より、{f'(t)=0}の解は{t=-1,\dfrac{1}{2}} 増減表を書くと以下のようになる。

{t}{-1}{\dfrac{1}{2}}{1}
{f'(t)}(なし){+}{0}{-}(なし)
{f(t)}{0}{\dfrac{27}{4}}{0}

したがって、{f(t)}{C=\dfrac{2}{3}\pi}で最大値{\dfrac{27}{4}}をとり、{A=B}のとき、{(\star)}の等号が成立する。

故に、{\sin A +\sin B \sin C}{A=B=C=\dfrac{2}{3}\pi}のとき最大値{\sqrt{\dfrac{27}{4}}=\dfrac{3\sqrt{3}}{2}}をとる。


(II)相加/相乗平均の不等式を用いた解法

{(\star)}について、{(\sin A + \sin B + \sin C)^{2} \leqq \dfrac{4}{3}(3-3t)(1+t)^{3}}とできる。

ここで、{-1 \leqq t \lt 1}から、右辺の因数は全て0以上であるから、

4次の相加相乗平均の不等式を用いて辺々を4乗し、係数を調整することで

{\dfrac{4}{3} \left\{ \dfrac{(3-3t)+(1+t)+(1+t)+(1+t)}{4} \right\}^{4} = \dfrac{4}{3}(\dfrac{3}{2})^{4} \geq \dfrac{4}{3}(3-3t)(1+t)^{4}}

を得られる。等号は{(3-3t)=(1+t) \Leftrightarrow t=\dfrac{1}{2},C=\dfrac{2}{3}\pi}のとき成立する。

{(\star)}の等号は{A=B}のとき成立するので、全ての等号が成立するのは{A=B=C=\dfrac{2}{3}\pi}のときである。

したがって、このとき{\sin A + \sin B + \sin C}は最大値{\sqrt{\dfrac{27}{4}}=\dfrac{3\sqrt{3}}{2}}


どちらの解法も1変数関数化が最大のポイント。どうせ{A=B=C}のとき最大になるだろうというのは簡単に予測されるので、角の差の形を作って、2角が等しい時に等号が成立するような不等式にする。

いつどこでだったのかは忘れてしまったが、{AM \geqq GM}不等式のこういう使い方を一度だけ見たことがある。

確か誰かに教えてもらったのだと思うけれど、まさかそれがこんな問題でも活きることになるとは思わなかった。

こういう解法は圧倒的に所要時間を短縮できるので、試験でも積極的に使っていきたいが、僕は試験中焦るタイプなので結局普通に微分してしまう。

普段の数学力を試験で発揮したい…

大学入試別解シリーズ 2005年京大前期 文理共通 第1問

2005年京大理系文系共通・前期第1問です。

{xy}平面上の原点と点{(1,2)}を結ぶ線分(両端を含む)を{L}とする。{L}{y=x^{2}+ax+b}が交点を持つような実数の組{(a,b)}の集合を{ab}平面上に図示せよ。

京大の割にめちゃくちゃ簡単。(そもそも、この別解シリーズの問題はスタンダード数学演習から引用しているので難問なんてないが)。

多分こういう易問って論述部分で相当厳しく採点するんだろう。

この年の問題は他年度に比してかなり簡単だったらしいですが、かの史上最短の問題が出題されるのが翌年。


解法〈I〉[逆像法]

{L:y=2x (0 \leq x \leq 1)}{y=x^{2}+ax+b}のグラフが共有点をもつことは、

これらから{y}を消去した式{x^{2}+(a-2)x+b=0 \cdots (1)}{0 \leq x \leq 1}で実解{x}をもつことに同値

したがって、{(1)}{0 \leq x \leq 1}で実解{x}をもつ{(a,b)}の条件を考えればよい。

{(1)}の左辺を{f(x)}とおくと、

  {f(1)=a+b-1 \cdots (2),f(0)=b \cdots (3)}

{f(x)=(x+ \dfrac{a-2}{2})^{2}-\dfrac{(a-2)^{2}}{4}+b}とできるから、

  {f(x)}のグラフの軸は{x=- \dfrac{a-2}{2} \cdots (4)}

  {f(x)}の最小値は{-\dfrac{(a-2)^{2}}{4}+b \cdots (5)}

{(i) \cdots} {0 \lt x \lt 1}に1つ、その他に1つ実解をもつとき

  {f(0)f(1) \lt 0}であればよく、{(2),(3)}より、{b(a+b-1) \lt 0}

{(ii) \cdots} {0 \lt x \lt 1}に2つ(重解含む)実解をもつとき

  「{f(x)}の最小値が負」かつ「{f(1)>0}かつ{f(0)>0}」かつ「{f(x)}の軸が区間内」であればよく、

  {(2),(3),(4),(5)}から、{-\dfrac{(a-2)^{2}}{2}+b \leq 0}かつ{a+b-1 > 0}かつ{b >0}かつ{0 \lt -\dfrac{a-2}{2} \lt 1}

  整理して{b \leq \dfrac{(a-2)^{2}}{4}}かつ{b > -a+1}かつ{b > 0}かつ{0 \lt a \lt 2}

{(iii) \cdots} {x=0,1}が解のとき

  {f(0)=0}または{f(1)=0}であればよく、{(2),(3)}より、{b=0,b=-a+1}

{(i)}~{(iii)}を総合し、図示すると以下のようになる。(ただし境界を含む)

f:id:AzelAlbarn666:20170522012046p:plain


この解答について

大学への数学では逆手流と呼ばれます。大学への数学は好きですが、既に明確に数学的に定義された名称のある解法に対して分かりにくい別称をつけて説明するところは虫が好きません。

この解法自体は好きです。要らないことを考えずに問答無用で解けるので。


解法〈I'〉[逆像法&補集合の利用]

求める{(a,b)}の集合は、{y=x^{2}+ax+b, L : 2x}{0 \leq x \leq 1}で共有点を持たないような{(a,b)}の集合を、全ての{(a,b)}の組から除いたものである。

したがって以下では、これらの2式を連立させた{x^{2}+(a-2)x+=0 \cdots (1)}{0 \leq x \leq 1}で共有点を持たない条件を考える。

{(1)}の左辺を{f(x)}とおくと、

  {f(1)=a+b-1 \cdots (2),f(0)=b \cdots (3)}

{f(x)=(x+ \dfrac{a-2}{2})^{2}-\dfrac{(a-2)^{2}}{4}+b}とできるから、

  {f(x)}のグラフの軸は{x=- \dfrac{a-2}{2} \cdots (4)}

  {f(x)}の最小値は{-\dfrac{(a-2)^{2}}{4}+b \cdots (5)}

{(i) \cdots} 任意のxについて解を持たないとき

  {f(x)}の最小値が正であればよく、{(5)}から、{b > \dfrac{(a-2)^{2}}{4}}

  図示すると以下のようになる(境界を含まない)

f:id:AzelAlbarn666:20170521225406p:plain

{(ii) \cdots} {x \lt 0,1 \lt x}に1つずつ解をもつとき

  {f(0) \lt 0}かつ{f(1) \lt 0}であればよく、{(2),(3)}より「{b \lt 0}かつ{b \lt -a+1}

  図示すると以下のようになる(境界を含まない)

f:id:AzelAlbarn666:20170521225421p:plain

{(iii) \cdots} {x \lt 0,1 \lt x}のいずれかにのみ解を持つとき

  「{f(x)}のグラフの軸が{x \lt 0,1 \lt x}を満たす」

  かつ「{f(1) > 0}かつ{f(0)>0}」かつ「{f(x)}の最小値が0以下」であればよい

  {(2),(3),(4),(5)}から、「{\dfrac{a-2}{2} \lt 0 , 1 \lt -\dfrac{a-2}{2}}

  かつ「{a+b-1>0}かつ{b> 0}」かつ「{-\dfrac{(a-2)^{2}}{4}}+b \leq 0」となり、

  整理すると「{a \lt 0, 2 \lt a}」かつ「{b > 0}」かつ{b > -a+1}」かつ「{b \leq \dfrac{(a-2)^{2}}{4}}

  図示すると以下のようになる(実線部を含み、軸、白丸、破線部を除く)

f:id:AzelAlbarn666:20170521225440p:plain

{(i)}~{(iii)}はそれぞれ背反だから、求める範囲は、これらを総合したものをab平面全体から除いたもので、図示すると以下のようになる(境界を含む)

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この解答について

本質的には上の解答と全く同じですが敢えて補集合を使いました。この問題では完全に無意味で、ただの縛りプレイでしかないですが、場合分けを簡略化できる場合があります。

特に領域図示の問題では今自分が何をしているのか、解答のどの位置に立っているのかを強く意識しないとかえって困難になります。整理しながら解くのが苦手な人にはお勧めしません。

必要以上に丁寧で図が多いのは、自分の現在地を意識するためです。こうでもしないと最後に補集合を取り忘れたりして失敗します。

僕はこういう縛りプレイが場合分けの練習として最適だと思うのですが、全く流行っていませんね。


解法〈II〉[アナログ偏微分(ファクシミリの原理)]

{L:y=2x,y=x^{2}+ax+b}を連立させた式{x^{2}+(a-2)x+b=0 \cdots (1)}について考える。

{(1)}において{a=k}とし、{}値域を求めれば、直線{a=k}上の、条件を満たす点の存在範囲が分かる。

したがって、{k}が全ての実数の範囲を動くときを考えれば、条件を満たす{(a.b)}の存在領域を得られる。

以下では、{f(x)}の値域を考える。

  {f(0)=0 \cdots (2)}

  {f(-\dfrac{k-2}{2})=\dfrac{(k-2)^{2}}{4} \cdots (3)}

  {f(1)=-k+1 \cdots (4)}

最大値は

  {(i) \cdots} {-\dfrac{k-2}{2} \lt 0} すなわち {2 \lt k}のとき   {f(0)}

  {(ii)\cdots} {0 \leq -\dfrac{k-2}{2} \leq  1} すなわち {0 \leq k \leq 2}のとき   {f(-\dfrac{k-2}{2})}

  {(iii) \cdots} {1 \lt -\dfrac{k-2}{2}} すなわち {k \lt 0}のとき   {f(1)}

最小値は

  {(iv) \cdots} {-\dfrac{k-2}{2} \lt \dfrac{1}{2}} すなわち {1 \lt k}のとき   {f(1)}

  {(v) \cdots} {\dfrac{1}{2}\leq \dfrac{k-2}{2}} すなわち {k \leq 1}のとき   {f(0)}

{(i)~(v)}{(2),(3),(4)}より、{f(x)}の値域は

  {0 \leq f(x) \leq -k+1 ~~~~~~~~(k \lt 0)}

  {0 \leq f(x) \leq \dfrac{(k-2)^{2}}{4}~~~~~~~~(0 \leq k \leq 1)}

  {-k+1 \leq f(x) \leq \dfrac{(k-2)^{2}}{4}}~~~~~~~~(1 \lt k \leq 2)

  {-k+1 \leq f(x) \leq 0 ~~~~~~~~(2 \lt k)}

図示すると以下のようになる(境界を含む)

f:id:AzelAlbarn666:20170522012046p:plain


この解答について

大学への数学ではファクシミリの原理、巷には予選決勝法と呼ばれる解法。

僕はFAXを見たことがないし、予選決勝法というネーミングがなんだか気に食わないのでアナログ偏微分と勝手に命名しています。

解答を見ればわかる通り、{a=k}上における、条件を満たす点の存在範囲は{a=k,0 \lt x \lt 1}におけるbの値域から求められるので、言わば最大最小問題に帰着させているということです。

ステップが多いので個人的には嫌いな解法です。({a=k}とおかずに始めから一般のaについてbの値域を出す等の方法で)各ステップを統合可能なんだけれど、僕の性格上それが気に食わないので。


解法〈III〉[包絡線の利用]

{y=x^{2}+ax+b,L : y=2x}の共有点のx座標は、{x^{2}+(a-2)x+b=0 \cdots (1)}の解xに一致する。

故に、(1)が{(0 \leq x \leq 1)}において解を持つような{(a,b)}の条件を求めればよいが、

{0 \leq x \leq 1}を満たすあるxに対して、(1)はab平面上の直線を表すので、条件を満たす{(a,b)}はこの直線上の点である。

したがって求める領域は、xが{0 \leq x \leq 1}の範囲を動いたとき、(1)のab平面におけるグラフが通過する領域である。

また、xについて平方完成し整理すると{b=-(x+\dfrac{a-2}{2})^{2}+\dfrac{(a-2)^{2}}{4}}とできるから、

直線(1)のグラフは{b=\dfrac{(a-2)^{2}}{4}}と接し、接点のa座標は{a=-2x+2}であり、{0 \leq x \leq 1}のとき、この接点は{0 \leq a \leq 2}を動く。

したがって、求める領域を図示すると以下のようになる。(ただし、境界を含む。)

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この解法について

今回の別解枠。

包絡線はあまり流行ってないですが、有名どころだとFocusGoldや、やさしい理系数学に記載があります。僕自身はどっかで教わったので知ってました。(具体的にどこかは忘れた)

記述が楽という理由で逆像法贔屓なのでたいして使ってなかったのですが、最近Kindle Unlimitedでこれを読んで思い出したので個人的な流行ネタということで試してみました。

包絡線(一般的には通過領域の問題におけるテクニックであるとされる)の、媒介変数と独立変数の読み換えによる他系統問題への応用例という意味では、新しい解法と呼んでも良いかと思います。

もちろん、平方完成による包絡線の導出を知っていても、この問題を見たときに包絡線が応用できることにすぐに気付くにはそこそこセンスが要るので、入試で使うのは非現実的です。あくまでも面白い別解、ということで。

大学入試別解シリーズ 2012東大文系 第2問

簡単な問題。こういう問題ばかり解いてると妙な自信が湧いてきてよくない。先日学校の授業で解かされたのでついでに。

実数tは{0 \lt t \lt 1}を満たすとし、座標平面上の4点{O(0,0),A(0,1),B(1,0),C(t,0)}を考える。また、線分AB上の点Dを{\angle ACO = \angle BCD}となるように定める。tを動かしたときの{\triangle ACD}の面積の最大値を求めよ。

いかにも分数関数が出てきそうな、気持ちの悪い状況設定。文系で出てるんだから微分は使えないし、有名不等式を使わせるに違いない。

因みに、答えの確認のために河合塾の解答を見たら向こうの解答が誤ってました。天下の河合が間違えてちゃダメだ。(結果は正しいが途中式に誤植がある)


解答〈I〉

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x軸についてA,Dと対称な点をそれぞれA',D'とする。

メネラウスの定理より、{\dfrac{AA'}{A'O}\cdot \dfrac{OC}{CB}\cdot \dfrac{BD}{DA}=\dfrac{2}{1}\cdot \dfrac{t}{1-t}\cdot \dfrac{BD}{DA}=1}

したがって、{\dfrac{DA}{BA}=\dfrac{DA}{BD+DA}=\dfrac{2t}{(1-t)+2t}=\dfrac{2t}{t+1}}

{\triangle ACD=\dfrac{CB}{OB}\cdot \dfrac{DA}{BA}\cdot \triangle OAB=\dfrac{t(1-t)}{t+1}}

ここで、{\dfrac{t(1-t)}{t+1}=-(t+1)-\dfrac{2}{t+1}+3=3-(t+1+\dfrac{2}{t+1})}とでき

{0 \lt t \lt 1}より、{t+1 > 0}だから、相加・相乗平均の不等式より

{t+1+\dfrac{2}{t+1} \geq 2\sqrt{(t+1)\cdot \dfrac{2}{t+1}}}となり、{t+1=\sqrt{2}}すなわち{t=\sqrt{2}-1}で確かに等号が成立

故に、求める面積の最大値は、{t=\sqrt{2}-1}のときの{3-2\sqrt{2}}


この解答について

これは完全に僕の感覚ですが、対象点を取ってメネラウスの定理を使えばよいとパッと見で思いました。

後付け的な説明ですが、対象点を取るということはすなわちある線分(今回なら{OA})と同じ長さ分、その線分を延長するということであり、言いかえれば自動的に{1:1}或いは{1:2}といった扱いやすい整数比を図中に生み出すということです。

特に本問の場合、Dは単なる分点ではなく、反射によって定められる点ですから、対象点{A'}を取ったとき、{A',C,D}が同一直線状にありますから、メネラウスの定理との相性が良いのは当然のことでしょう。

本問の状況設定ありきの解法なので一般性はもちろんないですが、別解の例としては面白いと思います。


解答〈II〉

OCの傾きは{-\dfrac{1}{t}}だからCDの傾きは{\dfrac{1}{t}}、CDの式を考えると、Cを通ることから{y=\dfrac{1}{t}(x-t)}

Dはこれと{y=-x+1}との交点だから、{\dfrac{1}{t}(x-t)=-x+1}を解くと

Dのx座標{\dfrac{2t}{t+1}}を得られる。また、{\dfrac{DA}{BA}}はDのx座標とBのx座標の比に等しいから、{\dfrac{DA}{BA}=\dfrac{2t}{t+1}}

{\triangle ACD=\dfrac{CB}{OB}\cdot \dfrac{DA}{BA}\cdot \triangle OAB=\dfrac{t(1-t)}{t+1}}であり、

{\dfrac{t(1-t)}{t+1}=-(t+1)-\dfrac{2}{t+1}+3=3-(t+1+\dfrac{2}{t+1})}とできる。

{0 \lt t \lt 1}より、{t+1 > 0}だから、相加・相乗平均の不等式より

{t+1+\dfrac{2}{t+1} \geq 2\sqrt{(t+1)\cdot \dfrac{2}{t+1}}}となり、{t+1=\sqrt{2}}すなわち{t=\sqrt{2}-1}で確かに等号が成立

故に、求める面積の最大値は、{t=\sqrt{2}-1}のときの{3-2\sqrt{2}}


この解答について

完全に代数任せの解法。計算もそんなに面倒ではないので許容範囲内。

思い付きが一切必要なく、ただ面積をtの式で表現するという必要に駆られていればすぐに出てくる解法です。

僕は幾何が好きなあまり反射的に解法〈I〉が出るタイプなのでそっちを推しますが、普通はこう解くのが無難だし、速いでしょう。

どちらの解法を選択するしても、相加相乗平均の利用に気付くか否かが鍵な気がします。

大学入試別解シリーズの投稿開始について

僕は今高3だし、大学受験の予定があるのでわりとピンチだ。

数学は好きでも勉強は大嫌いだから、数学の問題でさえ、決まった量を決まったペースで解くのが大の苦手。

というか別に勉強に限った話でもなく、計画に沿って行動すること自体が非常に苦手。立案と計画は得意なのに。

人に相談されてプランを練ることに関しては、非常に緻密かつ無理のない形のものを設計できるのに、当の自分は決まった時間に登校して決まった時間に下校という日々のリズムでさえ体が許容しない。

かといって今の成績では勉強しないわけにもいかないので、なんとか高いモチベーションを見出して問題を解くしかない。

僕は文章を書くのが好きだから、週3問、ブログに旧帝大入試の自作解答を載せることにした。

普通にやっても面白くないので、河合塾の解答とは違う解答を用意するという条件付きで。

河合塾であることに深い意味はない。予備校は行ったことがないから、物理のエッセンスの出版元ということで唯一接点(?)のある河合にしてみた。

試験において重要なのは一般性の高い、発想力の要らない解答であって、別解なんて不要だと思うが、別解を考えるという作業そのものが数学力の向上に抜群の効果があると思っているので。

(今自分が曲がりなりにも数学が得意なのは、中学生時代から難問に対して幾つも解答を与えたり、普通に解けばよい問題も敢えて対偶を考えたりして遊んでいたからだと信じている)

数学の問題集をほとんど持っていないので、多分解く問題は学校で配られたスタンダード数学演習ばかりからの抜粋になるが、この問題集は略解しか付いていない強気の仕様。

僕が解答を公開することによって、誰か困っている人が解答を見られるようになったら素敵だし…(後付けの理由)

Beyond all restrictions

広く浅くが良いとか、狭く深くが良いとか、そういう論争はよくある。

ステレオタイプな東大京大の学風として、それぞれ「広く浅く」「狭く深く」というのがあるからなのか、こういった論争は東大京大論争にも結び付けられている節があって、明らかにそれを意図した編集のなされたテレビ番組だってある。

非常に単純な疑問。何故「広く深く」を目指さないのだろうか。

いきなり自分の主張を否定するようだが、実際的な話、一人の人間が全知全能すなわち「広く深く」というのは到底不可能だろう。

ならば、「広く浅く」の限界まで、「狭く深く」の限界までなら、一人の人間がたどり着けるというのか。

答えは否ではないか。人が「問題を創造する」という強い力を持った存在である以上、幅にも深さにも限りはない。

どちらの方向に進もうとも、その端点にたどり着くことなどない。虹の根にも頂上にも辿り着けないように。

『「広く浅く」か「狭く深く」か』という決着の見えない論争、決着がついたとしても恐らく誰もが損も得もしない論争に時間を費やすなら、自己満足でいいから、ただ黙って自分の領域を広げていくために時間と労力を使うべきだ。

そしてそうある人は素敵だし、自分もそうありたいと常々思うのであった。

数学自作問題① 幾何

今朝、夢の中で考え事をしているといったような内容の記事を投稿したが、実はあの時も僕はある問題に起こされた。

最近某所に提出するための論文を執筆していて、そのための題材の候補の一つである、ある一般性の高い図形を研究している。

そのせいで夢に関連する図形が出てくることが最近よくあるのだが、今朝もそうだったのだ。

ただ、今朝は論文の成果に繋がりそうなものは一つも得られず、ある面白い問題を得た。

なかなか面白い問題だったし、ついさっき解き終わったので、ここに掲載しておく。

解答が必要な場合は、この記事にコメントするか、右のメールフォームからご連絡ください。

また、何らかの発見があった場合もメールフォームから連絡をいただけるとありがたい。


数学自作問題① 幾何

以下の図の{P}はドラッグで動かせます

鋭角三角形{ABC}において、垂心を{H}、外接円の半径を{R}とし、{BC,CA,AB}の中点を{D,E,F}とする。

また、{\triangle ABC}の外接円の{H}を通る弦{PQ}{\triangle DEF}の外接円との交点を{P}に近い順に{R,S}とする。

{P,Q}の位置によらず{PR \cdot QS}は一定値をとることを示し、この値を{\triangle ABC}の内角の三角比と外接円の半径{r}で表せ。