読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Azel's Note

とある高校生の雑記帳。あらゆるテーマに対する、感覚と論理の双方向からのアプローチの記録。

幾何学におけるカルノーの定理の簡潔な証明

数学 数学-幾何

かつて、三角関数に関するある難問を解く過程で、単位円を利用して幾何的にアプローチしたところ、副産物として美しい定理を得た…..と思ったが、変形したところ、カルノーの定理と同値だった、ということがあった。

美しい定理を独立に発見したのでなかったことは残念だが、計算過程の有象無象の中に既知の美しい定理を見出せたことは幸運だった。

先日資料を整理している時、当時のメモを発見した。 今回はこの一連の論理によって得たカルノーの定理を記事にする。

カルノーの定理とは、

f:id:AzelAlbarn666:20170208003908p:plain

『鋭角三角形{ \displaystyle ABC } の外心を { \displaystyle O} とし、{ \displaystyle O} から各辺に下ろした垂線の足を上図のように { \displaystyle D~,~E~,~F } とする。 このとき、{ \displaystyle \triangle ABC } の外接円の半径を { \displaystyle R } 、内接円の半径を{ \displaystyle r} とすると、

{ \displaystyle OD+OE+OF=R+r } が成立する。』

というもの。よく出来すぎていて俄には信じ難いくらいだ。

Google検索でヒットする幾何的な証明の大半が、各頂点から下ろした垂線を用いるものだったし、自分がかつて行った証明もそのようなものだった。

発見した証明を以下に。


{ \displaystyle s = \frac{AB+BC+CA}{2} } とする。

中点連結定理より、{ \displaystyle EF=\frac{BC}{2} } 、トレミーの定理より、{ \displaystyle R \cdot \frac{BC}{2}=OF \cdot \frac{CA}{2}+ OE \cdot \frac{AB}{2} }

同様にして、{ \displaystyle R \cdot \frac{CA}{2}=OD \cdot \frac{BA}{2}+ OF \cdot \frac{BC}{2}~,~R \cdot \frac{AB}{2}=OE \cdot \frac{BC}{2}+ OD \cdot \frac{CA}{2} }

これらの辺々を加えると、{ \displaystyle  Rs = OD(s-\frac{BC}{2})+OE(s-\frac{CA}{2})+OF(s-\frac{AB}{2}) }

変形して、{ \displaystyle (OD+OE+OF)s= Rs+(OD \cdot \frac{BC}{2}+OE \cdot \frac{CA}{2}+OF \cdot \frac{AB}{2})}

ここで、{ \displaystyle  OD \cdot \frac{BC}{2}+OE \cdot \frac{CA}{2}+OF \cdot \frac{AB}{2}=rs=|\triangle ABC|} であるから、

{ \displaystyle (OD+OE+OF)s= Rs+rs} 、辺々を{ \displaystyle s } で割って、{ \displaystyle OD+OE+OF=R+r}


本当に偶発的に発生したものだが、完成度は高く感じる。「気付いてしまえば簡単」な証明こそ理想だ。 semi-perimeterがこんなところでも活躍するとは恐るべしだ。この証明法なら、対称性を上手く利用できるので大幅に楽である。

上で示したものは鋭角三角形という条件付きであったが、符号付き距離を導入することによって鈍角三角形にも拡張できる。

割愛するが、恐らくは殆ど同様に証明ができるだろう。さらに、合同角の概念を導入すれば、証明の統合が可能かもしれない。

近いうちに、その証明とカルノーの定理の系をまとめた記事を書くだろう。