Azel's Note

ある高校生の数学ノート。

大学入試別解シリーズ 2012東大文系 第2問

簡単な問題。こういう問題ばかり解いてると妙な自信が湧いてきてよくない。先日学校の授業で解かされたのでついでに。

実数tは{0 \lt t \lt 1}を満たすとし、座標平面上の4点{O(0,0),A(0,1),B(1,0),C(t,0)}を考える。また、線分AB上の点Dを{\angle ACO = \angle BCD}となるように定める。tを動かしたときの{\triangle ACD}の面積の最大値を求めよ。

いかにも分数関数が出てきそうな、気持ちの悪い状況設定。文系で出てるんだから微分は使えないし、有名不等式を使わせるに違いない。

因みに、答えの確認のために河合塾の解答を見たら向こうの解答が誤ってました。天下の河合が間違えてちゃダメだ。(結果は正しいが途中式に誤植がある)


解答〈I〉

f:id:AzelAlbarn666:20170521045417p:plain

x軸についてA,Dと対称な点をそれぞれA',D'とする。

メネラウスの定理より、{\dfrac{AA'}{A'O}\cdot \dfrac{OC}{CB}\cdot \dfrac{BD}{DA}=\dfrac{2}{1}\cdot \dfrac{t}{1-t}\cdot \dfrac{BD}{DA}=1}

したがって、{\dfrac{DA}{BA}=\dfrac{DA}{BD+DA}=\dfrac{2t}{(1-t)+2t}=\dfrac{2t}{t+1}}

{\triangle ACD=\dfrac{CB}{OB}\cdot \dfrac{DA}{BA}\cdot \triangle OAB=\dfrac{t(1-t)}{t+1}}

ここで、{\dfrac{t(1-t)}{t+1}=-(t+1)-\dfrac{2}{t+1}+3=3-(t+1+\dfrac{2}{t+1})}とでき

{0 \lt t \lt 1}より、{t+1 > 0}だから、相加・相乗平均の不等式より

{t+1+\dfrac{2}{t+1} \geq 2\sqrt{(t+1)\cdot \dfrac{2}{t+1}}}となり、{t+1=\sqrt{2}}すなわち{t=\sqrt{2}-1}で確かに等号が成立

故に、求める面積の最大値は、{t=\sqrt{2}-1}のときの{3-2\sqrt{2}}


この解答について

これは完全に僕の感覚ですが、対象点を取ってメネラウスの定理を使えばよいとパッと見で思いました。

後付け的な説明ですが、対象点を取るということはすなわちある線分(今回なら{OA})と同じ長さ分、その線分を延長するということであり、言いかえれば自動的に{1:1}或いは{1:2}といった扱いやすい整数比を図中に生み出すということです。

特に本問の場合、Dは単なる分点ではなく、反射によって定められる点ですから、対象点{A'}を取ったとき、{A',C,D}が同一直線状にありますから、メネラウスの定理との相性が良いのは当然のことでしょう。

本問の状況設定ありきの解法なので一般性はもちろんないですが、別解の例としては面白いと思います。


解答〈II〉

OCの傾きは{-\dfrac{1}{t}}だからCDの傾きは{\dfrac{1}{t}}、CDの式を考えると、Cを通ることから{y=\dfrac{1}{t}(x-t)}

Dはこれと{y=-x+1}との交点だから、{\dfrac{1}{t}(x-t)=-x+1}を解くと

Dのx座標{\dfrac{2t}{t+1}}を得られる。また、{\dfrac{DA}{BA}}はDのx座標とBのx座標の比に等しいから、{\dfrac{DA}{BA}=\dfrac{2t}{t+1}}

{\triangle ACD=\dfrac{CB}{OB}\cdot \dfrac{DA}{BA}\cdot \triangle OAB=\dfrac{t(1-t)}{t+1}}であり、

{\dfrac{t(1-t)}{t+1}=-(t+1)-\dfrac{2}{t+1}+3=3-(t+1+\dfrac{2}{t+1})}とできる。

{0 \lt t \lt 1}より、{t+1 > 0}だから、相加・相乗平均の不等式より

{t+1+\dfrac{2}{t+1} \geq 2\sqrt{(t+1)\cdot \dfrac{2}{t+1}}}となり、{t+1=\sqrt{2}}すなわち{t=\sqrt{2}-1}で確かに等号が成立

故に、求める面積の最大値は、{t=\sqrt{2}-1}のときの{3-2\sqrt{2}}


この解答について

完全に代数任せの解法。計算もそんなに面倒ではないので許容範囲内。

思い付きが一切必要なく、ただ面積をtの式で表現するという必要に駆られていればすぐに出てくる解法です。

僕は幾何が好きなあまり反射的に解法〈I〉が出るタイプなのでそっちを推しますが、普通はこう解くのが無難だし、速いでしょう。

どちらの解法を選択するしても、相加相乗平均の利用に気付くか否かが鍵な気がします。